一乗谷朝倉氏遺跡で打ち上げられた花火~込められた願いとは~

夏の風物詩打ち上げ花火

こんにちは、「朝倉WEB3」のあさみんです。
夏の風物詩と言えば、打ち上げ花火。
お腹に響く大きな音と夜空に次々に広がる美しい花火、テンション上がります。大好きです!

2020年7月24日午後8時より、実施場所は非公開として、全国で打ち上げ花火が行われました。
そして、何と!
その舞台の一つに選ばれたのが、一乗谷朝倉氏遺跡です。
この花火には、すべての日本人の「祈り」「願い」「決意」が込められていました。
それは。。。

夜空を彩る美しい花火に浮かび上がる唐門は、本当に幻想的です!
画像とともに掲載されていますので、是非確認してみてくださいね!
詳細:福井新聞の記事はこちら

全国の花火業者の方の協力により「願い」や「メッセージ」を乗せて一斉に花火を打ち上げる企画は、6月に続き2度目です。
今回はそのメッセージの内容と、打ち上げ花火の歴史、本来の意味をご紹介したいと思います。

「新しい日本をはじめる合図」として

2020年7月24日

新しい日本を始める

2020年7月24日、本来ならこの日は、東京五輪の開会式が開催されていました。
世界中から人々が集まり、賑やかに大いに盛り上がっていたことでしょう。
しかし、新型コロナウィルスのパンデミック下、各地で多くのイベント中止が相次いでいます。

夏の風物詩である花火大会も例外ではありません。
相次ぐ中止によって、伝統継承にも悪影響が懸念されています。
そこで日本青年会議所が企画、全国の花火業者の協力を得て実現したのが、この打ち上げ花火。

その企画とは、銘打って「新しい日本をはじめる合図」
「打倒コロナ」の意気込みとともに、この主旨に賛同、集結した熱い思いのもと、全国各地の夜空が一斉に花火で彩られたのです。

空を見上げ花火に歓声をあげ、多くの人と勇気や活気を一斉に共有できる、とてもありがたいと思います。
すべての日本人の祈りと決意表明の花火が、天に大きく花開いたように感じます。

全国一斉121ヶ所で実施

47都道府県の121ヶ所で一斉に午後8時から1分半~3分間、それぞれ約50発の花火が打ち上げられました。
(一部の地域では天候などの影響で延期。46都道府県117ヶ所で打ち上げを実施)
どこで行われるのか、その場所については「3密」を避けるため非公表とされていました。

福井県内では、9ヶ所で打ち上げが実施されました。
その舞台、謂わば「祈り」「願い」「決意」の発信地に選ばれたのが、一乗谷朝倉氏遺跡です。
ほかには、敦賀市の松原海岸(日本三大松原の一つ「気比の松原」)や大野市の真名川(まながわ:九頭竜川水系の支流の一つ)沿いなどでも行われました。

日本では、5月に緊急事態宣言が解除になりました。
再びの感染拡大による閉塞感を乗り越え、日本が新しく生まれ変わる合図になってほしいです。
一刻も早くパンデミックが終息して地球上のすべての人々に自由と平等と和合がもたらされることを心から強く願います!

空を舞台にメッセージを表明

東京上空を飛行するブルーインパルス

さて、7月24日の全国一斉打ち上げ花火の他にも空を舞台に表した2つのメッセージを併せて記しておきたいと思います。

5月29日午後0時半過ぎ~
航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」6機が、新型コロナウィルス患者の受け入れにあたってきた病院の上空を飛行しました。
新型コロナウィルスに対応する医療従事者などに感謝と敬意を示すことを目的に東京都心の上空を飛行しました。

「ブルーインパルス」による都心上空での展示飛行は、昭和39年の東京オリンピック開会式、平成26年の国立競技場の改築に伴うお別れイベント、そして今回の3回目とのことです。

感染の危険のある現場で、責任感と使命感で日々奮闘されている医療に携わっている方々に感謝とともに、どうか安全でありますようにと願う気持ちはみな同じなのではないでしょうか。

6月1日午後8時~
日本全国の花火業者が企画した「Cheer up!花火プロジェクト」
「悪疫退散を祈願し、花火を見上げて笑顔になってもらう。全国の人たちに希望と元気を届けたい」という思いから全国一斉に花火が打ち上げられました。
「3密」を避けるため、会場は非公開で実施。
神奈川県横浜市では、コロナ犠牲者の鎮魂のため音のみの花火、医療従事者へのエールのために青い花火などを上げた地区もあったようです。

我が家の直ぐ近くでも花火が打ち上げられたと、翌日知りました。
リアルタイムで思いを共有したかったです、残念。。。

真夏の風物詩「花火」の歴史と意味

花火といえば、家庭で手軽にできる線香花火を筆頭にネズミ花火、ロケット花火など、夏休みの夕方には、近所の仲良し親子が集まって、皆どことなく興奮気味に遊んだものでした。

しかし、なんと言っても打ち上げ花火は、美しさも迫力も格別ですよね。
全国津々浦々で毎年1000前後の花火大会が開催されているようです。
花火についていろいろと調べてみました。

花火はいつごろから?

ルネッサンスの三大発明とは。。。
羅針盤、火薬、活版印刷ですが、実はこれらはすべて中国では、すでに発明さていたんです。
花火も6世紀頃に中国で生まれ、その後、イギリスで発展し、16世紀には水上花火を催した記録があるそうです。

日本で花火の製造が始まったのは、鉄砲伝来(1543年)とほぼ同時期。
どちらも火薬を使用するものですから、なるほどと思います。

現在の打ち上げ花火に近いものを初めて鑑賞したのは、16世紀に仙台の伊達政宗とも、17世紀に駿府の徳川家康ともいわれているようです。
朝倉家の人々は、夜空に花開く花火を見たことはあるのでしょうか。

江戸庶民に愛された花火

江戸時代になって戦がなくなると、火薬の使い道が激減します。
その結果、その火薬を花火に利用するようになります。

日本最古の花火業者「鍵屋」は、万治2年(1659)に玩具花火を売り出し、繁盛しました。
享保18年(1733)日本最古の花火大会、隅田川花火大会(当時は両国花火大会)が、「鍵屋」により行われました。

「鍵屋」の番頭が独立して始まったのが「玉屋」です。
両者は、ライバルとしてさらに発展していきます。
現代にも残る「鍵屋~」「玉屋~」の花火のかけ声もここから来ています。

ちなみに「玉屋」は火事を起こしたことがきっかけで取り潰しになりますが、「鍵屋」は現在も引き継がれています。

大正時代になって、マグネシウムなど金属粉を利用した色鮮やかな花火が登場するまでは、彩色がない白っぽいもののようでした。
明治時代になると最新の火薬が輸入できるようになり、巨大で色鮮やかな花火となっていきます。

今では、全国各地で花火大会が行われており、地元の人々のみならず海外からの観光客も楽しむようなお祭りになっています。
日本の花火文化は、その地域ならではの特色を楽しむものであったりもします。

花火には「鎮魂」の意味がある!

京都五山大文字焼き

火には、鎮魂の意味があります。
炎は不浄を焼き尽くし、闇を照らすものとして古来より神聖なものとして扱われてきました。
「火」は「日」にも通じ、太陽にも等しい存在であり、人々の生活にも必要不可欠なものです。

そのため、日本人は死者を尊び、慰めるために特別な炎を燃やしました。
それが、お盆の「迎え火」「送り火」
京都五山の送り火の一つ「大文字焼き」は、有名ですね。

また、花火大会が8月中旬のお盆前後に開催されることが多いのは、死者の霊を送るという、日本人にとって特別な意味があるからとされています。

ご先祖様の霊が現世に帰ってくるとされているお盆。
この期間には、親戚が集まってお墓参りをするなどの風習が定着しています。
そして、お盆の最終日には、ご先祖様が迷わず極楽へ帰れるようにと「送り火」を焚いて道を照らす習わしがあります。
花火も送り火の延長として、真夏に打ち上げられるようになりました。

  • 墨田川花火大会:享保17年(1732)大飢饉と疫病で亡くなった方の鎮魂と疫病退散のため
  • 長岡まつり大花火大会:戦争で亡くなった方の鎮魂のため
  • 四倉鎮魂・復興花火大会:東日本大震災で犠牲になった方の鎮魂と復興支援のため

花火の歴史や意味を知ると、楽しみ方も変わるかも知れませんね。